「対岸の家事」朱野帰子|家事・育児を取り巻く環境

こんな人におすすめ

・家事や育児に疲れてしまった人
・家事や育児について深く考えたことが無い人

あらすじ

専業主婦の村上詩穂は、居酒屋に勤める夫の虎朗、まだ小さい娘の苺との3人で暮らしている。共働きが当たり前になりつつある状況のため、専業主婦である詩穂に対する周囲の反応は冷たい。そんな状況下でも、詩穂は小さな喜びを日常の中で見出し、力強く生きていく。2人の子供を抱えるワーキングマザー、2年間の育児休暇を取ったエリート公務員、小児科の若奥さんなど、家事・育児に関わる様々な境遇の人が登場する心温まる物語。

給料は2人で稼いでいるようなもの

俺は土日も休めないしさ。詩穂は家にいてくれなきゃ、苺の面倒を見てくれる人がいない。……俺の給料は二人で稼いでいるようなもんだろ

専業主婦であることに負い目を感じていた詩穂に対して夫の虎朗がかけた言葉です。この物語の中で、私が1番印象に残っているセリフで、虎朗と詩穂の良い関係が伝わってきました。

専業主婦は家事・育児全般を担当し、夫は仕事を担当して一緒に生活していく。これは両者がいないと成り立たない構造です。

客観的に考えればこの言葉は当たり前のことです。しかし、実際に家庭を持つと、この考え方をするのは難しいのかもしれませんね。

全体の感想

この本を読んだあと、たしかに、近所の公園で子供を連れた主婦を見ないようになったことに気づきました。共働きが当たり前で、専業主婦が絶滅危惧種という話もあながち間違いではないのでしょうか。

この本を読まなければ、このような状況について考えさせられることもなかったと思います。家事・育児を取り巻く環境について知ることができる内容で、話自体も面白く、読んでよかったです。

ぜひ皆さんにも読んでもらいたい作品です。

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