『島はぼくらと』 辻村深月|あなたにとっての故郷はどこですか?

こんな方におすすめ

ほっこりと、心が温まるような物語を探している方

おすすめの理由

この物語では、瀬戸内海に浮かぶ架空の島が舞台となっています。島の高校生の同級生4人組が中心となって話が進んでいきます。

田舎だからこその人々の強い結びつきや、それゆえのしがらみ、島の外から移住してきたIターンの人々との関係等に悩みつつも力強く生きていきます。

故郷とはなんだろう?これが大きなテーマのひとつだと思いますが、読んだ後には、ほっこりとした気持ちになれる物語です。

あらすじ

瀬戸内海に浮かぶ「冴島」は、人口三千人弱の小さな島。

高校生の朱里、衣花、新、源樹の四人はともに冴島で育った同級生です。

四人は田舎ならではの住民同士の強い絆や、それゆえのしがらみ、島の外から移住してきたIターンの人々との関係、出会いと別れなど、様々な経験を積んで少しづつ成長していきます。

主な登場人物

島で育った同級生の朱里・衣花・新・源樹の四人を中心として話が進んでいきます。

池上朱里
母・祖母と暮らす高校生。純粋でのびのびとした性格。

榧野衣花
網子の漁師たちをまとめる網元の娘。とても美人で、物事をはっきりと言う性格。

矢野新
冴島保育園の園長の息子で、高校では演劇部に所属している。とてもまじめで、演劇が大好き。

青柳源樹
父親は島で唯一のリゾートホテルを経営している。茶髪で耳にピアスを開けている。

全体の感想

今回は、辻村美月先生の「島はぼくらと」を紹介させて頂きました。

私自身は島で暮らしたことはないのですが、田舎ならではの様々なトラブルがあることを知ることができました。

ドラマや小説などでは、田舎での良い部分ばかりがクローズアップされることが多いという印象があります。ところが今回の作品では、田舎での良いところ・悪いところがしっかり描かれていて、これがリアルな姿なんだろうなと感じました。

また、本作を読むことで、今まで深く考えてこなかった「故郷」について考えさせられました。

私は単純に考えていたため、生まれ育った場所が「故郷」だと思っていました。しかし、その人の境遇や考え方によって「故郷」の定義は違うのかもしれませんね。

この物語では、感動で涙が出そうになったり、あっと驚くような激しいシーンはありません。

しかし、読んでいてなんだかほっこりと落ち着く。そんな物語でした。

作中では、辻村美月先生の他作品の登場人物も出てくるので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください!

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