はじめに
本書は、コンサルティング会社出身で、現在も多方面で活躍している35~45歳くらいの方々に取材をすることで完成したそうです。
本書では、各方面で活躍されている方々が、新人時代コンサルティング会社で学んだことのうち、今でも役に立っていると感じる知識や経験、スキルを30個の項目にまとめて紹介してくれています。
著者は冒頭で次のように述べています。
本書を読むことで、
・職業を問わず、業界を問わず、15年後にも役立つ普遍的なスキルを
・社会人一年目で学んだときの基礎的なレベルから
理解できるようになります。
私自身も、実際に本書を読むことで著者の言っている意味がよくわかりました。
本書に書かれている内容は、すべての業種に役立つ普遍的なものだと思います。
そのため、社会人一年目の方だけでなく、中堅やベテランの社会人の方にもお薦めできる本になります。
ファクト(数字)こそが武器になる
ファクトとは、事実のこと。つまり自分の経験談や、気の利いた言葉ではなく、動かしようのない事実をさします。事実の最たるものは「数字」です。数字は誰も動かしようがなく、否定もしようがありません。ですから、数字でものを言うのが、いちばん効果的です。
著者によると、コンサルタントを受けるクライアント側の担当者にはベテラン社員(35歳以上)がつくことが多いそうです。
つまり、新人コンサルタントは、そういった年上の担当者と話さなければいけません。
どうして経験の少ない新人コンサルタントがクライアント側の担当者に認めてもらい、やりとりをすることができるのか?
この鍵となるのが「ファクト(数字)で語ること」だそうです。
動かしようのない事実であれば、相手も納得せざるを得ません。
経験を語ることのできない新人はこれで勝負するしかないのでしょう。
逆にクライアント側の立場になって考えると、ファクト(数字)が無い状態だと、信用されないですよね…。
相手の期待を超える
ビジネスというのは、突き詰めると、相手の期待を、常に超え続けていくことにほかならない。顧客や消費者の期待を超え続けていくこと。上司の期待を超え続けていくこと。これこそがビジネスにおけるいちばんの秘訣です。
相手が何を、どのレベルまで期待しているかを見極め、絶対に外さない。そして、相手の期待値のちょっと上を常に達成していく。
この内容にはハッとさせられました。
私自身や、周りの職員がお客さんからクレームを受けた状況を思い返すと、
「お客さんの求めていることとは違う仕事をしてしまった」
「お客さんの期待するレベルの仕事ができなかった」
すべてがこのどちらか、もしくは両方でした。
逆に、お客さんが満足してすごく感謝してくれた状況を思い返すと、
「お客さんの求めている通りの仕事を、お客さんが期待する以上のレベルでやり遂げたとき」でした。
お客さんが求めていることをきちんと見極め、お客さんが期待する以上のレベルの仕事を続ける。
そうすることでようやく、お客さんと良好な関係を築くことができ、次も仕事を依頼されるのでしょう。
社員の時間は、お金そのもの
本書の著者は、コンサルタントを辞めて会社を立ち上げました。
そして経営者という立場になったことで、次のように感じるようになったそうです。
経営者は従業員にお金を払っています。社員から見ると時間はお金ではないかもしれませんが、経営者から見れば社員の時間というのは、お金そのものです。というより、お金にしか見えないのです。社員がサボっている、非効率的な仕事をしているのを見るとき、経営者はお金を失っているように感じるのです。
この感覚には少し驚きました。
会社に勤めているサラリーマンの方々の中で、会社で過ごす時間に対してお金が支払われている。
そんな感覚を持っている方はどれほどいるのでしょうか?
私自身も、最近になってようやく自分の人件費について考えるようになりました(遅すぎますが…)。
ところが、この著者の言葉を読むことで、人件費のことを少し考えるくらいではダメだなと感じるようになりました。
たしかに経営者の気持ちになって考えると、仕事中に少し休憩したり、効率の悪い仕事をしてしまうだけでも、お金を捨てているような、悲しい気持ちになりますね。
社員の働いている姿を見て「もっと頑張ってくれよ!」と思っている経営者は多いのでしょう…。
今後はこの経営者の気持ちを肝に銘じて働かなければならないと感じました。
全体の感想
本書では、30個にもなる「究極のベーシックスキル」が挙げられています。
当ブログでは、私が読んでみて特に印象に残ったものを紹介していますが、もっとたくさんの役立つスキルが紹介されています。
一生のバイブルとして本棚に置いた方が良いのでは?そう感じるほど良い本でした。
かなり話題になっている本ですが、読んでみて納得の一冊です!
まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください!