こんな人におすすめ
人間関係に悩んでいる方
営業職をはじめとしたビジネスマンの方
おすすめの理由
本書は題名の通り、周りの人を上手く動かすためのノウハウがまとめられた本です。
「人を動かす」という題名から、口先の話術で相手をコントロールしてきた悪い人が書いた本のように感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
むしろ、著者が伝えたかったことは、相手の気持ちを理解して、お互いに気持ちよく生きていくための知恵だったように感じます。
誰が読んでも損はしない本だと思いますが、特に人間関係に悩んでいる方や、営業職をはじめとしたビジネスマンの方におすすめしたい本になります。
自分を悪人だと思っている人はいない
およそ受刑者で自分自身のことを悪人だと考えている者は、ほとんどいないそうだ。自分は一般の善良な市民と少しも変わらないと思っており、あくまでも自分の行為を正しいと信じている。
この本の序盤で紹介される考え方ですが、とても納得しました。
日常生活を送る中でも、コンビニで店員さんに怒鳴りつける人や、仕事で嫌味を言ってくる人、様々な人がいるかと思います。
そういった人のうち、自分が悪いことをしている。そんな自覚がある人はほとんどいないのだろうなと想像しました。
なにかしらの正当な理由があって、そういった行動をしているのでしょう(その人にとってですが…)。
この考え方は、もちろん自分自身にも当てはまります。
もしかしたらまっとうに生きているはずの自分自身も、知らず知らずのうちに周りに迷惑をかけている可能性がありますね。
自分にとっての正当性だけを考えるのではなく、相手や周りの人の気持ちも考えて行動していこうと思います。
人の名前を覚える
人間は他人の名前などいっこうに気にとめないが、自分の名前になると大いに関心を持つものだ
本書では、人の名前を覚えることの重要性について記されています。
エピソードのひとつとして紹介されていたジム・ファーレーは、5万人の名前を覚えていたというから驚きです。
個人的な話になりますが、最近は人事異動のため、新しいお客さんと関わる機会が多くなりました。
当然ですが、自分の名前を一度で覚えてくれるお客さんは少ないです。
そんな中で、数か月前に一度会っただけなのに自分の名前を覚えていてくれたお客さんがいました。
すごく嬉しかったです。また、その人に対してとても良い印象を持ちましたし、きっと記憶力が良くて優秀な人なのだろうなと思いました。
自分の名前を覚えてくれていた!
たったこれだけです。この理由だけでこんなに良い印象を受けたのです。
これってすごいことじゃないですか?!
自分が嬉しかったということは、周りの人も嬉しいはず!相手の名前をちゃんと覚えることの重要性を実感しました。
相手の顔をつぶさないようにする
相手の顔を立てる!これは大切なことだ。しかも、その大切さを理解している人は果たして何人いるだろうか?
自分の気持ちを通すために、他人の感情や自尊心はまったく考えない。人前で立場の弱い人に怒鳴り散らしたりする。
こういった場面に出会う機会は沢山あるかと思います。
著者は、こういった行動をせずに、相手の心情を理解して一言二言思いやりのある言葉をかければ、はるかにうまくいくと述べています。
全体の感想
今回紹介した「人を動かす」は、D・カーネギーが講習会に使用した資料をまとめた結果完成したそうです。
本書では人間関係を円滑にして人を動かすための、たくさんの考え方や行動が書かれています。
その考え方を支持したり、補足するために沢山の偉人のエピソードが紹介されています。実際にあったエピソードですので、すごい説得力です。
様々な考え方や行動が書かれていましたが、そのほとんどに共通するのは相手の立場に立って考えるということなのかなと思いました。
皆さんは本書を読んでどういった感想をもったでしょうか?
ページ数は多いですが、沢山の偉人のエピソードがどんどん紹介されるため、サクサクと読み進めることができます。
まだ読まれていない方には、ぜひおすすめしたい本です。